「人が集まるのは認知されてる大手ばかり」「うちは地方企業だし、人が集まらない…」
そんなこと思っていませんか?
アナタが伝える意思さえあれば、間違いなく人は集まると断言します。
そこで今回は大分で活躍する柳井工業の代表である柳井さんをお招きし、地方企業にフォーカスを当てつつ、お話をうかがっていきたいと思います。
【柳井寿栄】(画像左Twitter)
大分県出身。大分の高校を卒業後、大学進学を機に上京。大学卒業後は幅広い業界を見ることで、視野を広げ自分の将来のヒントにしたいという理由から某証券会社に入社。会社員時代に仕事を介して当時実父が経営していた柳井工業の事業の面白さに気づく。いずれはふるさとに帰って地域を活性化する担い手になりたいと考えていた。元は継ぐ気が無かったものの、父が病に倒れたのを機に、挑戦するなら若いうちにと一念発起し、柳井工業を継ぐ。現在は柳井工業の代表取締役として活躍する傍ら、SNSを通じてプラント業界にまつわる様々な情報を発信している。
【阿部璃音】(画像右 Twitter)
完全オンライン面接を経てイチミ株式会社に長期インターンとしてジョインした大学3年生。現在は実家のある福島にいながらフルリモートにて採用人事・就活生向け記事執筆やWantedly(ウォンテッドリー)の運用をしている。最近の失敗は挽いたばかりのコーヒーを淹れる前に床にぶちまけたこと。あの香ばしい独特な香りがキッチンの床から漂う。超いい匂いだった。
地方企業の採用状況は?
1.柳井工業って?
阿部
はじめまして!イチミのイチミ阿部です!よろしくお願いします!
おお!テンションが若い!柳井です。こちらこそよろしくお願いします。
柳井さん
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阿部
では早速質問の方に行かせていただきます。そもそも柳井工業さんはどんな事業をやっているんですか?
うちの会社は結構ニッチなので。分かりやすい例を挙げると…。まず今回のコロナ禍でマスクが足りなくなったって話題になりましたよね。
柳井さん
阿部
ですね。どこに行っても売り切れだから、色んな方が自作でマスクを作ったりしてますよね。
もちろんマスクってマスクメーカーが作ってるんですが、それ以前にマスクの原料を作る会社もあるんですよ。2次産業って言われる部分なんですが。
柳井さん
阿部
実はマスクの1番の原料ってガソリンなんです。サウジアラビアとかの原油国から日本に運んできてその原油をマスクの元に作り変える工場がある。その製造をする工場(=プラント)があって。そのプラントって言われるところにうちは特化してます。その中でもプラントのメンテナンスの部分になるんですが。
柳井さん
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阿部
プラントは工場…。ってことは機械がありますよね。つまりは工場にある機械のメンテナンスに特化しているってことですか?
そうそう。うちはプラントの装置は作ったりはしないんですよ。あくまでもメンテナンス側。よく言うのは機械のお医者さんですね。機械の悪いところを直すって意味で。
柳井さん
阿部
お医者さんってそれぞれ治す場所も違うじゃないですか。内科、外科、耳鼻科みたいな感じで。ちなみに決まった場所とかってあるんでしょうか?
いい質問!僕らが治すのは回転機の部分。分かりやすい例えをあげるなら心臓みたいな役割。血液を送り込まないと人間って動かないでしょ?その血液を送り込むポンプが回転機っていう感じですね。
柳井さん
2.地方企業の新卒採用現状
阿部
2019年度に経産省が出した
中小企業白書をもとにすると日本における大企業は0.3%、中小企業は99.7%と言われています。しかも現在の新卒世代は東京や大阪などやはり会社も多い都会に就職するという選択が多いと思います。その点で柳井工業さんは毎年コンスタントに採用はできていますか?
ぼくが入ってからの10年は採用は5人ぐらいしか入ってないんですよね。その中で続いているのが1人だけっていう状況です。みんな辞めていく。
柳井さん
阿部
誰かの紹介だからしかたなく入ったっていう方に対してどんなにその人にこの業界の魅力を伝えたり、将来はこうなるよっていう話を僕が熱く語ったところで、彼らには響かないんです。
柳井さん
阿部
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以前は会社のホームページが無いために、検索してもでてこないから、知られる機会すら無かった。採用にも力を全然入れてなかったんですよね。卒業後に就職を決めている高校生も「柳井工業ってどこだよ」状態になるし。
柳井さん
阿部
高校卒業してから働くって決めた方はそのまま地元の企業に就職を決める方も多いですもんね。
去年誰かが行った会社が良かったからといって今年もいいかどうかは分からないじゃないですか。それについて誰も疑問に思っていないのが怖い。先生が「そこに行け」って言ったから来たみたいな。親に聞いて「あそこ大きい会社だね。」とか、「聞いたことあるね。じゃあそこでいいんじゃない?」って理由で簡単に就職先を決めるんです。逆に「柳井工業ってどこだよ、聞いたこともないよ。」「先輩誰も行ってないからやめておこう。」って理由で選択肢から外されるんですよ。
柳井さん
阿部
これは地方あるあるですね。誰かの「こういう会社だった」っていう主観的な口コミに流されちゃって自分で確かめようとしないのはもったいない。
3.採用ツールのあれこれ
阿部
現在採用ツールの1つとしてWantedlyを使ってらっしゃるとお聞きしました。使うキッカケは何だったのでしょうか?
採用面で必要なのは学生さんが何を見ているかって話になると思うんですよね。若い世代はSNSはすごい見るじゃないですか。
柳井さん
阿部
そうですね。特に私たちはSNSネイティブ世代だと思ってるので(笑)そのくらい身近な存在です。
そこでまずツイッターを始めたんですよ。そこからWantedlyが転職・就活に特化してるっていう情報を見つけて。SNSでSNS採用なるものを知りました。
柳井さん
阿部
最初はITエンジニアの方がいっぱい見てるっていうのを聞いて「あんまり意味ないじゃん。」とも思ったんですけど(笑)まずはやってみようという軽いノリで始めました。
柳井さん
阿部
Wantedlyを使う前はどんな採用方法を使っていたんですか?地方で就職ってなるとハローワークはよく聞くんですが。
おっしゃる通り基本的にうちはほぼ100%ハローワークでしたね。
柳井さん
阿部
そうなんですね。ほぼというのは逆に、別の採用方法もあったってことですか?
あとは紹介ですかね。会社の近所の人が「こういう会社があるよ」「あそこの子今働いていないみたいだよ」という感じの超小さい規模の中でやってました。
柳井さん
阿部
ぶっちゃた質問なんですけど、ハローワークや近所の方からの紹介で採用された社員の方は今も働かれているんですか?
それはもう問題だらけで。そもそも2年に1回ぐらいしか入ってこないんですよね。全員がそうであると一概には言えませんが、ハローワークを介してうちに面接に来る人は色んな会社受けたけど受からなかったから、嫌々柳井工業を受けてるという印象を受けました。
柳井さん
阿部
そうなんですよ。そういった理由もあって僕が入ってから10年くらいはハローワークで採用をしたっていうのは聞いたことがなかったですね。
柳井さん
目に触れる機会を増やす
阿部
地方にいた若い世代が就職となると都市部に流出することで地方の会社さんとかも、人手がなく規模が縮小してしまったりっていう事例を聞きます。それこそ地方の企業さんがSNSで自社のことを発信していくのは1つの手だなと思います。
僕も同感ですね。とりあえず大きい会社に行ったけど才能に恵まれず、埋もれていく人っていうのも多いので。とりわけ柳井工業が入って欲しいとかって話じゃなくてWantedlyやSNSで選択肢を増やしてあげたいです。それこそ今もリモートワークが普通になってきているじゃないですか。結論都市部に住まなくてもいいわけで。
柳井さん
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阿部
うちも本社は東京にあるんですけど、私は福島からの参加ですしメンバーは広島や北海道など色んな場所からジョインしてます(笑)
滅茶苦茶先駆けですね。僕もIT業界に友人が多いんですけど、みんなリモートになってて。俺福岡住もうかなとか言ってる人もいます(笑)パソコンがあればいいんですから。それで月1やら半月に1回東京の会社に言って会議をやるくらいでまわるんじゃないかなと思いますね。
柳井さん
阿部
そうですね。逆に地方企業で働いているけど、都会に住むことも全然できる。
それこそTwitterでWantedlyをやってるっていうのも簡単に見つけられますからね。東京の会社を知ることもできますし。「お前はこの企業行け」「この大学がいいから行け」「どこどこの会社がいいぞ」っていう従来の型にはまった小さい世界の話ではないと思うんですよ。
柳井さん
じゃあWantedly使ってみようよ
阿部
Wantedly関してはご自身で運用されているとのことでしたが、実際に使ってみてどんな印象を持ちました?
うちみたいなのは相当ニッチなんで。だからエージェントに頼むのもありだとは思います。でもやっぱりコストがかかってしまうので。採用面に関するコストを下げて行きたいなと思ってWantedlyの運用も僕自身がやっています。ストーリーも僕が書いてるんですよ。やる気に満ち溢れています。
柳井さん
阿部
なるほど。お仕事もある中で、それと別に執筆をするのは大変じゃないですか?
大変なんですけど、普段自分の思っていること、考えていることを聞いてくれる人って中々いないんですよね。だから口に出す機会っていうのもなくてこういう思いでやってますよ、こういう風に会社や業界を変えていきたいっていうのを言語化するっていうのが大事だなと思って、実際それがタメになっているし。
柳井さん
阿部
僕は勿論Wantedlyをやっていることで採用に繋げたいとは思っているんですけど、それ以外の部分でもお客さんが見てくれていたりするんですよ。「そこで柳井さんと新しいビジネスやりたいです」って言ってくださる方もちらほら。「あ~読んでくれているんだな」「やっていて良かったな」って感じました。
柳井さん
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阿部
色んな方面からメッセージがくるっていうのは嬉しいですね。
それって入ってくれた社員さん向けにもなるし、未来の社員さん向けにもなるんですよね。アピールになるし。今既存のお客さんにも「なるほど、こんなこと出来るんだね」って思って貰える。Wantedlyをやることってプラスにしかならないんですよね。それに対して自分が時間をかけることはやむをえないかなと思っています。
柳井さん
阿部
Wantedlyで採用された方はどういう印象ですか?
僕の熱さに共感してくれて入ってくれた子がいるんですけど、その子は柳井工業が三社目だったんですよ。就職するのが。渡り歩いてきて、転職活動も沢山していて色んな業界見てきたわけじゃないですか。柳井工業ってすごいニッチだなって実感したらしく、この会社に巡り会えて良かったって言われたんですね。
柳井さん
阿部
勿論嬉しいんですけど、そこで思ったのは知られてないだけなんだってことです。阿部さんも今日うちのことを知ったじゃないですか。うちがプラントの心臓をやっているってことを。プラント業界を実際に知って、見て貰うことって大事だと思ったんですよね。
柳井さん
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阿部
なるほど。先程仰ってた社員さんは柳井さんの思いや会社のビジョンに引かれたからこそ、ジョインしたと思うんですが。その方のように共感者を増やす為の一施策としてオンラインでのミートアップやウェビナーというのはやっていないんですか?
見てくれる人がいればやりたいなと思っています。ミートアップってどうやったらいいかとかも正直分からないんですよね。
柳井さん
阿部
ミートアップというのは採用の前段階で、会社に興味のある方と直接お話する場を設けることですね。実際に社員と話すことで求人ページの文面だけでは感じとれない会社の雰囲気を掴むことが可能です。そこで求職者と会社のマッチングを深めることができるんです。求職者だけに関わらず、興味を持ってくれた方が参加されることもあるので、新たな事業をやりましょうと決まることもありますね。
いいですね。プラント業界って聞くと熱い恰好して、ヘルメット被って、汚いし、きついし、給料安いし3Kって言われてたんですよ。そのイメージだけでプラント業界はないなって思われてて。だったらコンビニでレジ売ってた方がいいわって感じなんですよね今の人たちって。じゃなくて目的があるってことを知って欲しい。心臓を直すっていう大事な部分をやっていているんだよっていうことをもっと広げたいなと思います。
柳井さん
阿部
それは業界のイメージアップにも大きく繋がりますね。またWantedlyと他の媒体の違うと感じるところってありますか?
主に2つあって。1つ目は超気さくにメッセージ送ってくるし、超気さくに面接してこようとするんですよね(笑)その気軽さは好印象です。2つ目はWantedlyで来てくれると会社側のコストがかからないので、そこのポイントは超高いです。他社との違いはずばりそこだと思います。エージェントも御存じの通り滅茶苦茶高いですから。
柳井さん
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阿部
Wantedlyはカジュアル面談が可能なので初回面談で志望動機の回答を求めなかったり、ES等の書類も提出も求められない点は求職する側も変な先入観無しにリラックスして会うことができますよね。あと5年10年立てば採用の多様化は今より浸透していそう。学生社員とか。
そうなんですよ。その流れに柳井工業は遅れていたくないんですよね。今プラント業界で頑張っている人は少ないんじゃないかなと思ってもいますし。先駆けとしてやっていれば、流行ったときに波にのれるかなと思うんですよね。そういう目線でWantedlyは使ってますね。これは投資みたいな感覚でもあります。
柳井さん
阿部
もちろんコストも安いので挑戦のハードルが低いんですよ。1番安いプランを使っても求職者が来るのはすごいなと感じます。だからこそうちの会社ページもリニューアルして、どんどん色んな体制が整えつつ、Wantedlyを介したミートアップもやりたいですね。
柳井さん
阿部
未来の社員になるであろう人にどんなことを伝えたいですか?
ただ仕事がきついからって転職を何回もすればそれはただのやる気ないやつだとも思いますし。じゃなくて自分磨きとしてどんどん成長していって、高見を目指すっていう意味で転職をするのはアリだなと。そういう若い人がいるのは凄いことだとも思いますね。日本の先は明るい。
柳井さん
阿部
いい大学入って、いい会社に就職するっていう考える時代から変わってきていますよね。いい会社に入ったからって、その会社が合うかどうかも分からないし。
なんなら大手の会社も冷たいのでリストラも簡単にしますもんね。部署にしてもこの部署がダメ、利益がないと感じたらすぐに潰してしまいますし。終身雇用の時代でもないし、それは企業も求めていないと思いますよ。
柳井さん
阿部
終身雇用を求めていない点に関しては柳井工業さんにも当てはまりますか?
僕も求めていないです。若い子に柳井工業にずっといて欲しいとは思いません。いても去ってくれてもどちらでも構わなくて。でも僕はいる間はプラント業界に貢献しろと思ってます。だから柳井工業で技術を一通り身に付けた後、私は高見を目指したいって出ていくのは大歓迎です。総じて業界が良くなるなら。業界を良くするのが僕の1番の目標なので。
柳井さん
まとめ
地方企業の採用を増やすために
〇まずはSNSで自社のことを知ってもらうことが第一歩
〇「誰かが言ったから」ではなく、自分の意志で企業の門を叩いてみよう
〇Wantedlyを使って求職側とのミスマッチを減らす
Wantedlyの運用をどう始めていいか分からない採用担当の方や学生のために
阿部
柳井さん本日は貴重な話をありがとうございました!私も地元含め地方の活性化に繋がる仕事をしようと思いました。
こちらこそありがとうございました。日本の未来明るいですね。楽しみにしてます。
柳井さん
阿部
今回見てくださった学生の方。弊社はインターンを積極的に採用中です!また企業の方でもWantedly(ウォンテッドリー)の運用にはコツがいるので、もしも困ったな、誰かに相談してみたい…というときは私たちを頼ってほしいです!今なら期間限定で無料相談をやっています。双方以下のリンクからお気軽にご応募ください!
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